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理事長のつぶやき

NO3  桜に寄せて

3回目は、少し福祉の話をしようかと思います。
私が、仕事を始めたのは精神障害者地域生活支援センターが「精神保健及び精神障害福祉に関する法律」
に位置付けられたころです。また、精神障害福祉の仕事が県から市町村に移譲になりました。
まさにこの時期は、精神障害者の方たちを取り巻く環境が、大きく変わろうとしているその節目に立ち
あっているという実感がありました。

何かが少しづつ変わる、変えていかなきゃという動きの中でワクワクしていた記憶があります。
その後、2004年には「精神障害者の改革ビジョン」続いて「改革のグランドデザイン」が打ち出され
ました。「入院治療から地域生活へ」と方向が転換されました。
地域で暮らす精神障害者の方が、ヘルパー利用できるようになったのもこのころです。
退院する前に、病院のケースワーカーとご本人と支援センターの職員と面談し、ホームヘルパーの利用を
決めました。その頃は、精神障害者の方を対象としたヘルパー事業所がほとんどなく、何とか利用にこぎ
つけました。現在のような区分認定もサービス等利用計画もありません。みんなが手探りで試行錯誤し
ておりました。

ヘルパー利用について、厚生労働省は「ケアマネジメント的手法を用いて」と指針が示されました。
「的」って何だろう、なぜケアマネジメントを用いてではないのかと不思議な思いでした。
早速、当時の私は、社会人向けのケアマネジメントの講座に1年間通いました。そこでは、なんと
当時のマネジメントの神様といわていたドラッガーについての講義がありました。この仕事をする上で
ずっと心がけてきた言葉があります。「マネジメントに一番必要なことは、真摯さ(integrity)である」
と教わりました。これは、ケアマネジメントにも通じることだと思います。「あなたの人生に私が介入さ
せていただいてもよろしいでしょうか」という思いで接してきたように思います。

初めてヘルパー利用をされる方に訪問した時「私は簡単にひとを受け入れませんのよ」と言われました。
それはそうだ、私も人を簡単に受け入れないからと自分に言い聞かせ何回か訪問を繰り返しました。
ある日、訪問を終えて歩いている私の後ろからその方が抱きついてきて「またいらしてくださいね」と
おっしゃってくださいました。その時、二人の間には桜の花びらが舞っていました。花びら一枚の距離
されど一枚の距離。
昨年亡くなった京都の第16代桜守の佐野藤右衛門さんの言葉です。
「桜はかまいすぎてはだめ。放っておいてもだめ。気にかけていること」 心にしみます。